MBTIを社内に導入することで、社内コミュニケーションの円滑化を超えて、クライアント理解にも繋がった
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Z世代を代表する企画・マーケティング会社として、現在注目を集めている僕と私と株式会社。若者のリアルな視点を取り入れたPR設計からブランドプロデュース、SNS運用までをワンストップで行っています。
約50人のメンバーうち7割がZ世代であるという同社は、各領域に精通したプロフェッショナルを「天才」と呼び、売上の急成長よりもメンバーそれぞれの「自分らしさを咲かせる」ことをビジョンにしたユニークな経営スタイルが特徴です。
メンバーは全国各地に点在しており、場所や時間を選ばないフルリモート・フルフレックスに、ジョブ型をかけ合わせた自由な働き方を推進しています。
そんな同社は、「自己理解・他者理解」を促し、コミュニケーションを活発化させることで、メンバーの心理的安全を形成することを重視し、株式会社ツナグtobeが提供する「MBTI」を用いた研修サービスを導入しました。
現在は、MBTIに基づいたメンバー間の相互理解によって、社内コミュニケーションが促進され、リモートワークで起きやすいコミュニケーションの齟齬も解消。さらにはクライアントとのコミュニケーションへの活用にまで広がりを見せています。
こちらの記事では、MBTI研修を導入した経緯やその活用方法、これからの組織運営について、僕と私と株式会社代表・今瀧さんと、株式会社ツナグtobe代表・石川の対話を軸にお伝えします。
【狙い】
・自由な働き方を推進する反面、相互理解が深まっていないなかでテキストコミュニケーション中心の働き方を進めてきたことで、コミュニケーションの齟齬が生まれやすい状況だった
・メンバー間の「自己理解」「他者理解」によって、社内コミュニケーションを活発化させ、新たなシナジーを生み出していきたい
【解決策】
・稼働の多いメンバーに向けて、MBTIに基づいた研修を実施
【効果】
・メンバーの相互理解に繋がり、コミュニケーションが活発化
・リモートワークで起こりやすいコミュニケーションの齟齬が解消
・組織として、意思決定プロセスのスピード向上
・クライアントに対する理解度が向上
※「MBTI(Myers-Briggs Type Indicator)」とは?
ユングのタイプ論をもとにした、世界50カ国以上で活用されている国際規格に基づいた性格検査。「興味関心の方向(外向・内向)」「ものの見方(感覚・直観)」、「判断のしかた(思考・感情)」、「外界への接し方(判断的態度・知覚的態度)」の4つの指標によって、性格を16種類のタイプに分類し、一人ひとりが、自分の特徴や強み、人と人の違いを理解し、 自分をより活かすための座標軸として用いることを最大の目的として、活用されている。
自己成長とコミュニケーションの円滑化を目指し、MBTI研修の導入を検討
ーー僕と私と株式会社に、ツナグtobeが提供する「MBTI」を用いた研修サービス(以下、MBTI研修)を導入したきっかけを教えてください。
今瀧(僕と私と):
もともと、社内コミュニケーションの円滑化や自己の成長において「自己理解」を重要視していたため、これまで「ストレングス・ファインダー」や、「16Personalities」など自己理解に繋がる性格診断を社内メンバー向けに実施してきました。
今後、さらにもう一歩踏み込んで、社内の共通言語となりうるような自己理解のツールを導入したいと考えて、海外でも組織運営に活用されている「MBTI」に興味を持ったんです。
海外で働くメンバーもいるので、国外問わず共通言語として活用できるのではないかという狙いもありましたね。
石川(ツナグtobe):
海外では、「MBTI」がビジネスシーンでも活用されていますが、日本ではそれを模倣した「16Personalities」が主流となってしまっているのが現状です。
ただ、「MBTI」と「16Personalities」は、まったくの別物だということはあまり知られていません。
16Personalitiesは、あくまでも占いや心理テストの枠を出ない診断内容なので、弊社の研修においても、その違いを理解していただき、正しい認識でMBTIをご活用いただけるようにしています。
導入の決め手は、「学び」と「気づき」のある組織に寄り添った研修スタイル
ーー僕と私と株式会社ならではの自由な働き方だからこそ抱える、コミュニケーションの課題はあったのでしょうか?
今瀧(僕と私と):
リモートワークだと、社内のコミュニケーションが、目的や案件ベースの対話になってしまい、雑談やちょっとした悩みの共有から、個々の状況や人となりを理解することが難しい環境ではあったと思います。
また、テキストコミュニケーションが中心になるため、それぞれの認識の違いによって、齟齬が生まれ、ストレスを感じやすいのは大きな課題でした。
ーーそんななかで、今瀧さんがMBTI研修を導入しようと考えた決め手はなんでしたか?
今瀧(僕と私と):
やはり、最初に僕自身が受けた石川さんの研修が、これまで受けたさまざまな研修やセミナーのなかでもトップクラスに刺さったことが決め手です。
MBTIに関する情報は、自分でも書籍やネットを通じて集めていました。でも、石川さんの研修はそんな情報を網羅しているのはもちろんのこと、弊社の組織体系や抱えている課題を踏まえたうえで、会社単位で当てはめて、理解を進めていけたおかげで、たくさんの学びや気づきが得られたんです。
石川(ツナグtobe):
僕が「MBTI」研修において、特に重視しているのは「雑談」です。
ささやかな雑談から得られる情報を拾い上げることが、相互理解に繋がると考えているため、入口となる雑談をしながら、抱えている課題に合わせて臨機応変に話題を展開しながら研修を行っていきました。
ーーその後、どのような流れでMBTI研修の導入を進めていきましたか?
今瀧(僕と私と):
最初は弊社から代表して、僕を含めた2人だけがMBTI研修を受けたのですが、次はぜひ社内のメンバーにも受けてほしいと思い、社内でも稼働時間の多い18人のメンバーに向けて研修を実施しました。
石川(ツナグtobe):
今回の研修では、通常8時間で実施している内容を、2時間半×2回の計5時間に、ギュッと圧縮して実施しました。最近はまとめて長時間を確保するのが難しいという会社さんが増えているため、柔軟に分割開催なども行っています。
おおまかな研修内容としては、MBTIの基本となる4つのタイプごとにチーム分けをして、それぞれのチームごとに対話をしてもらい、それぞれのタイプの違いを実感していただきました。
MBTIは単なる心理テストではなく、「自己選択権」を尊重しています。研修を受けてみると、Web検査の結果からタイプが変わったというケースもよく見受けられますね。
MBTIによる「他者理解」が、テキストベースの社内コミュニケーションを円滑にし、齟齬やストレスが減少
ーー実際に研修を実施してみて、どのような効果が得られましたか?
今瀧(僕と私と):
社内コミュニケーションが活発化し、コミュニケーションにおける齟齬やストレスが激減したことが、本当に助かりましたね。
当初は、メンバーそれぞれの「自己理解」を目的に導入したMBTI研修でしたが、意外にも特に効果を発揮したのは「他者理解」のほうだったんです。
「人はそれぞれ考え方や強み弱みが違う」ということを頭ではわかりつつも、それを言語化して理解するのがなかなか難しい。
MBTIによってタイプごとの性格を言語化できたおかげで、メンバーのパーソナルな性質を理解できるだけでなく、その特徴を共通言語として社内に根付かせることができました。
ーーまさに当初の狙いだった「共通言語」を生み出すことができたんですね。
今瀧(僕と私と):
課題だったテキストコミュニケーションにおいても、「この人はこういう性格を持っているから、こういう伝え方をしたほうがわかりやすいかもしれない」といったように、相手の傾向を理解したうえで対話ができるようになりました。
石川(ツナグtobe):
業務上で良かれと思ってやったことが、相手にとって不快だったということは起こり得ます。
そんなとき、相手の性格を知らないと、ただ「相手に嫌なことをされた」と認識になってしまいますが、MBTIで相互理解を深めることで、「この人はこんな性格だから、こういった行動をしたんだ」と納得できれば、ストレスは減りますよね。
今瀧(僕と私と):
それは僕自身も、実感しています。さらに、メンバーの性格を理解できたことは、社内での「フィードバック」にも効果を発揮してくれました。
業務におけるアウトプットのクオリティを上げたり、さらに成果を出していくために、どんな課題があるのかを、メンバーの性格に合わせて考えることができるようになったことで、フィードバックの質が格段に上がりました。
ーー研修に参加されたメンバーのみなさんからは、どんな感想がありましたか?
今瀧(僕と私と):
「自分の性格タイプを知ることができて、強み弱みを再認識するきっかけになった」「Webで診断した結果と別の結果が出て、さらに理解が深まった」などポジティブな感想が寄せられています。
メンバー同士で個人的な話をするときも、「MBTIでいうと、どのタイプなの?」と聞いて、相手への理解を深めたり、互いの苦手を補い合えるよう工夫していたりしたシーンもありました。
MBTIへの理解は、業務上だけでなく、プライベートでも役立つので、それぞれが自分の持つ課題感を照らし合わせながら、積極的に学んでくれたのが印象的でしたね。
組織における意思決定プロセスのスピード向上。クライアント理解への効果も
ーー代表である今瀧さんにとって、MBTI研修が組織運営に役立ったシーンはありましたか?
今瀧(僕と私と):
組織が大きく変化したというよりも、個々のメンバーがMBTIの理解によって変化したことで、思考や行動の質が上がり、組織全体の意思決定のスピードが上がったと感じています。
また、会社のメンバー構成の偏りを理解することができました。多様なメンバーを採用しているつもりでも、MBTIを用いてメンバーの分布を見てみると、思ったよりも偏りがあることがわかったんです。この発見は今後の採用や組織運営に活用していきたいですね。
弊社のビジョンは「自分らしさを咲かせる」ですが、MBTIで性格を理解することで、メンバーの強みを生かした采配ができるようになったことは、ビジョンの実現にも繋がっていると思います。
ーーメンバーが変化したことによって、組織も変化し、ビジョンの実現を後押しした、と。
今瀧(僕と私と):
さらに嬉しかったのが、MBTIにおける「他者理解」を、クライアントワークにも活用できることに気がつけたことです。
弊社は、他社のSNS運用や企画プロモーションを承り、クライアントの想いや大切に育てたサービスや製品を世の中に広めていくことを事業の核にしているため、クライアント理解は必要不可欠です。
そんなクライアント理解においても、MBTIを活用することで、相手の要望をより明確にキャッチアップしたり、逆にこちらから行う提案の仕方の工夫に繋がったりと、顧客満足度の底上げにも役立ったと思います。
ーーメンバーや組織の成長だけでなく、クライアントワークにおいても効果があったんですね。
今瀧(僕と私と):
研修を担当してくださった石川さんが、弊社のメンバーや経営体制を深く理解したうえで、柔軟に対応してくれたことによって、生まれた結果でもあったと思います。
ただMBTIを学ぶのではなく、第三者の目線で研修をどのように会社の成長に生かし、その後の運用にも繋げていくかを考えてもらえるには、HR分野の全域に精通しているツナグtobeさんならではだと思いますね。
MBTIに関わらず、組織や働き方を総合的に改善していきたい企業や、リモートワークを中心に運営されている企業、組織運営に悩んでいる経営者の方には強くおすすめしたいです。
さらなる組織の成熟を目指し、MBTIを生かした「フィードバック」の文化を育てたい
ーーこれから組織を運営していくうえで、今回のMBTI研修をどのように活かしていきたいとお考えですか?
今瀧(僕と私と):
今回は、メンバー個人のMBTIにおけるベストフィットタイプを探り、日々のコミュニケーションに生かすための研修を行っていただきましたが、次回はさらにMBTIを会社・事業の成長に活かすための研修を行っていただく予定です。
今後は、個々のコミュニケーションだけでなく、組織や会社の成長にMBTIを活用するという視点をメンバー全員に持ってもらい、さらに活用の幅を広げていきたいです。
また、今回クオリティが向上した「フィードバック」をさらに文化として根付かせていきたいと考えています。
正解がないビジネスの世界だからこそ、組織としてメンバーが集まって、それぞれの能力を最大限に発揮するためには適切なフィードバックが重要です。
今後もMBTI研修を通じて、知見を増やし、会社の成長に繋がるフィードバック文化を醸成していきたいですね。
ーーありがとうございます。僕と私と株式会社でのMBTI研修の導入を経て、今後同社にどのように貢献したいとお考えですか?
僕と私と株式会社という、各領域のプロフェッショナルが集まった組織は、強い個の集合体だと考えています。そんな組織だからこそ、「この会社を成長させたい」という当事者意識を持っていただき、会社を自分ごと化してもらう必要があると考えています。
今後は、そんな会社の自分ごと化に繋がるマインドセットが芽生えるような研修を設計していく予定です。
私は、これまで人事領域全般を専門として、さまざまな組織や働き方に向き合ってきましたが、今は大きな変革期が訪れていると実感しています。
そんな変革期において、僕と私と株式会社という先進的な働き方と組織を行う企業を成功に近づけられるよう、少しでも多くの力添えをしたいと考えています。