評価制度はビジョンを実現するための加速装置。“組織力”を高める人事制度設計

“誇れる「とき」をデザインする”をビジョンに掲げ、DXで未来をつくるホテルカンパニーとして、唯一無二のホテルを全国に展開している株式会社7garden

代表・北野さんをはじめとする経営陣は、現場社員との心理的な距離感や、社員それぞれの努力が評価に紐づかない環境に課題を感じていたそう。

現在、ツナグtobeでは7gardenさまの新たな人事評価制度の設計から、現場社員を巻き込んでのサービスポリシー策定までをご支援しています。

今回は、制度設計における背景と現在取り組んでいる施策について、7gardenさまにお話を伺いました。

【課題とご要望】
・社員一人ひとりの志向性に合ったキャリアを描きづらい状態
・人事評価制度を設計し、7gardenらしさ×自分らしさを実現できる環境をつくりたい
・各施設の個性や特徴が異なるため、サービスにおいて統一ルールがなかった  

【取り組んだ施策】
・施設スタッフ/本部スタッフの人事評価制度を設計
・強みを言語化するためのサービスポリシーを策定することを提案
・全社員参加のサービスポリシーについて考えるワークショップを実施  

【成果】
・個を尊重し、多様なキャリアプランを描ける人事評価制度の運用を開始
・サービスポリシー策定を通し、自社の強みを共通言語にするまでサポート
・社員巻き込み型の人事施策で、経営と現場の一体感を創出

北野 賢さん
株式会社7garden代表取締役社長。不動産テック領域における数々の新規事業に従事したのちに、株式会社7gardenを創業。不動産領域における企画運営とwebサービス構築を得意とし、今回は本部スタッフの人事評価制度設計に携わる。

橋本 陽介さん
株式会社7garden ホテル運営チーム責任者。ホテル運営を統括する立場として、日々施設スタッフとコミュニケーションを取っている。今回は施設スタッフの人事評価制度設計と、サービスポリシーの策定をメインで担当。

石川 博基
株式会社ツナグtobe代表。7gardenの人事評価制度およびサービスポリシーの策定について、課題ヒアリングから制度設計・運用サポートまで一貫して担当。組織を深く理解し、方向性の壁打ちから施策実行まで具体的に伴走できる点が強み。

“納得感”を起点に。7gardenが描く、らしさを大切にした評価制度のかたち

──7gardenさまが当時、抱えていた課題を教えてください。

橋本さん:
経営と現場のコミュニケーションがうまく取れておらず、組織力が弱いと感じていました。
人事評価では、施設スタッフの努力や貢献に対して、一律でインセンティブを付与するなど、「頑張っても頑張らなくても同じ待遇」「経営は本当に現場のことを理解しているのか」と、不満が溜まりやすい状態だったと思います。

私自身、長いあいだ飲食業界で働いてきましたが、「昇進すること=キャリア成長」を前提とした人事評価制度のなかで働くのは窮屈だと感じていて。現場のスペシャリストになりたい社員が報われないのは、制度に問題があると感じていました。

それらを踏まえて、代表の北野とディスカッションを行い、「7gardenをこんな会社にしたい」というイメージは共有できるようになったものの、組織運営に反映させる知見がなったので、石川さんにサポートをご依頼しました。

北野さん:
石川さんには初回面談のときから、弊社のオリジナリティを理解し尊重する姿勢を含め、これまでの経験から得た知識を惜しみなく今回のプロジェクトに提供いただけそうだと、前向きな印象を持っていました。

本質を見極める能力や提案力を持つ石川さんとなら、7gardenが抱える組織課題を解決していけると感じたのがご依頼した決め手です。

石川:
7gaedenさまの事業内容は、市場のなかでも非常に優位性が高く、今後も速いスピードで規模が拡大して施設や社員数が増えると感じていました。なので、「これからの7gardenを牽引するコアメンバーが納得できる人事評価制度をつくる」ことを目的に、伴走させていただくことになりました。

──人事評価制度の設計において、こだわった点を教えてください。

石川:
具体的な制度設計に入る前に、コンセプトやイメージなどの方向性について、橋本さんと念入りに擦り合わせました。

個人的に、評価制度は社員を査定するためのものではなく、会社がありたい姿やビジョンを実現するための加速装置だと考えているんです。評価制度はあくまで手段。その先の目的となる、ブレないポリシーが必要だと感じていました。

7gardenは「7gardenらしさ」と、社員それぞれの「自分らしさ」のどちらも叶えることに重点を置かれている会社だと感じたので、評価される側の社員一人ひとりに向き合うことで、個人が前向きにキャリアを考えられる制度になるよう意識しました。

──実際に、どのような評価制度が完成したのですか?

石川:
等級については、上下階層のイメージを減らすために、4つの等級を”ガーデナーランク”と称して定義し、7gardenにおける自身の現在地を確認できる仕組みを導入しました。各ランクの要件を定義することで、自分ごととしてモチベーションを維持しやすい制度にしています。

また、多様なキャリア成長を支援するという観点で、社員一人ひとりの志向性に合わせてキャリアバッジを取り入れました。サービスプロフェッショナル・社員育成・施設マネジメントなど、複数の領域にキャリアの柱となるバッジを制定し、ブロンズやシルバーなど、各バッジのなかで習熟度を管理する運用にしています。

橋本さん:
それぞれのネーミングに“7gardenらしさ”がにじみ出るようにこだわりました。今は、実績が認められてバッジのカラーが変わる方にはセレモニーを行うなど、制度が全社に浸透するような仕掛けを実施している最中です。

今後、本格的に施設スタッフ向けの評価制度の運用を開始するので、ホテル運営に携わる社員一人ひとりと向き合う時間が増えることが今から楽しみです。

ブレない軸は、みんなで決める。ボトムアップで創るサービスポリシー

──サービスポリシーも策定中ということですが、こちらはどのようなきっかけで進んだプロジェクトだったのでしょうか?

石川:
当初からボトムアップで人事施策を進めていきたいと伺っていたので、社員の方に複数回ヒアリングをさせていただいたのですが、「うちのサービスってこうです」という核になる部分が、まだあまりないのだろうなと感じることが何回かあったんです。

なので、社員の方を巻き込みつつ、「サービスポリシーとして、芯が通った共通認識をつくるのはどうでしょうか?」と提案させていただきました。

橋本さん:
7gardenは各施設が個性的な特徴を持っているのですが、少人数でオペレーションを行っていることもあって、全社統一でサービスに基準を設けたり、ナレッジのシェアしたりすることがこれまでありませんでした。

そのなかで、ブレない基本の考え方を作ることで、全体のクオリティを保ちながら、施設の個性に合ったサービスを提供できるようになるのでは、と感じましたね。

サービスポリシーについては、なるべく多くのスタッフの想いを反映させたいと考えていたことと、異なる拠点のスタッフとの交流機会を創出するために、対面でのワークショップを全社員で実施しました。当日は福岡からもスタッフが来てくれて、和気あいあいと楽しく、時には真剣に議論をすることができました。

石川:
全社員を集めるという大きな機会投資をしてくださったので、社員の皆さんの原体験を引き出したり「なぜそう思うのか」という思考の深い場所に立ち返るプログラムにしました。皆さんの7gardenに対する想いを言語化できる良い取り組みになりましたね。

橋本さん:
普段接しているスタッフからも初めて聞く話がたくさん出てきましたし、背景を知ることで言葉の深みを感じることもできたので、相互理解の面でも貴重な時間になったと思います。

ワークショップの場で出た意見を参考に、まさに今、わかりやすく納得感のあるサービスポリシーを考えているところです。

──深い伴走があってこそ成り立ったことを感じます。

成果を出し続けるために。少数精鋭の本部人事制度設計

──続いて、本部スタッフの人事評価制度についても伺います。導入目的と、実際にどのような制度が完成したのか教えてください。

北野さん:
少数精鋭で高い成果を生み出す組織づくりをゴールに、、2年間で事業体制の基盤をつくり、3年目以降で競争優位性を強化するというロードマップに向けた制度をつくっていただきました。

そのためには、社員一人ひとりが高いパフォーマンスを出せるように「得意なこと」×「好きなこと」にフォーカスしつつも、やるべきことにはOne Teamで取り組み、高い生産性の実現と一人あたりの売上に対する価値発揮を大きくすることが必要だと考えていました。

給与は各職種の市場水準に合わせて決定できるように、ジョブ型をベースに。賞与は支給月数水準を設定し、基準月数×予算達成率の係数で算出することにしました。

運用はこれからですが、個人面談のためのジョブディスクリプションシートの作成も石川さんに伴走してもらっています。今後も人事評価制度はアジャイルに進化していく予定ですが、組織フェーズや市場環境に応じて柔軟に調整を行っていただける点も大変心強いです。

──さいごに、今後の展望をお聞かせください。

橋本さん:
人事評価制度については、これから本格的に運用が始まりますが、PDCAサイクルを回しながら細かく調整をかけていくのが必要になるかと思います。組織の姿に合った制度を運用したいと思っているので、今後も石川さんに伴走いただきながら、制度を通して社員の皆さんのキャリアに向き合いたいと思っています。

また、7gardenとしては、サービス業で働く人材の定着に貢献したいと考えています。今後の社会はますます労働人口が減りますし、そもそもサービス業界は重労働で拘束時間も長いというマイナスイメージがつきやすいと思うんです。

7gardenで働く価値やメリットはわたしたちが必ず用意するので、サービス業界で働く人材の定着やキャリア成長という視点で、業界をリードするような取り組みを実践する会社になりたいですね。

北野さん:
創業からの約10年間は、ビジョンやミッションを語るより“とにかく稼ぐこと”を重視していたので、ようやくこれまでの事業戦略の手応えを少しずつ感じているところです。そしてこれからは、より人材戦略の策定と実行が重要なフェーズになります。

2030年には運営棟数が30棟、従業員数も250名以上となる予定ですが、組織が大きくなろうとも、いま取り組んでいるテーマから目を背けずにMVVの純度を高めていきたいと思っています。

──人事評価制度・サービスポリシーの策定にまつわるエピソードから、7gardenさまの人材への想いが伝わってきました。本日は貴重なお話をありがとうございました。